✶\偽物?本物?知っておきたい金製品の見分け方/✶
2019年04月23日

✶\偽物?本物?知っておきたい金製品の見分け方/✶

ジュエリーに限らず資産としても人気の高い「金(ゴールド)」ですが、残念なことに、多くの偽物が出回っているのも事実です。偽物は年々手が込んで巧妙になり、素人には容易に判別がつかないケースも多々あります。

しかし、金の性質や偽物の種類に関する知識を待っていれば、被害に遭うリスクを減らすことも可能です。今回は、金製品の偽物の種類やそれを見分けるために有効な情報を、具体例を交えながら解説いたします。

金には「K18」といった刻印が打たれているのを見かけたことがあると思います。Kはカラットを表します。金の純度は24分率の重量比率で表すので、K24の場合は100%が純金で、K18は75%が純金(18/24=0.75)という意味になります。たまに「18K」とKが後に来る表示もありますが、意味は同じです。

刻印は国によって異なります。フランスではK18以上なら鷲の頭、K14はサンジャック貝、K9はクローバーの刻印。鷲の頭は年代によってデザインが異なります。

イギリスでは王冠の横に金の純度(916、750、585、375)と、鑑定した場所の絵が刻印されています。時代によって絵は異なるので、製造年が分かるという仕組みです。

中国では24金を「万足金」、22金を「千足金」、20金を「足金」と刻印します。

◇造幣局のホールマーク
金とメッキの見分け方
日本の造幣局が行う貴金属の純度検査で認定されると、造幣局からのホールマークが刻印されます。

純度認証極印と呼ばれるホールマークは、ひし形のレリーフの中に金の純度が表示され、ひし形の左側には日本国旗が刻印されています。造幣局では金の純度を1000分率で表記しています。
K24は999、K22は996、K18は750、K14は585、K12は500、K10は416、K9は375といった具合です。

ただし、稀にですが、上記の刻印があっても偽物があります。また、アトK(アトケイ)と言って、数字のあとにKがつく金の刻印があり、これには特に注意が必要です。アトKは「18K」という表記の仕方ですが、これは東南アジアやハワイなど外国で製造されたものや、日本で昔製造されたジュエリーに見られることがあります。アトKのなかにも刻印の表記通り金を含んでいるものがありますが、金の含有率がかなり低い偽物が紛れ込んでいることも事実です。

1.偽物の種類
まずは、金製品の偽物にはどういった種類があるのか、過去に実際に報告されているケースに基づいてご紹介します。
偽物の種類は主に「金メッキ」と「刻印と実際の素材が一致しないもの」の2種類に分けられますが、以下にもう少し詳細に分類した例を挙げてみましょう。

例1:メッキ製品なのに「K18」など金製品を示す刻印になっている
金の純度を表す単位はカラット(karat)で、「K18」と表記されます。一方、メッキ製品の場合は「K18GP」のように「GP」という表記が付きます。
ところが、実際はメッキであるにも関わらず「GP」を表記せずに「K△△」とだけ表示して、あたかも金製品であるように見せかけた偽物が存在します。メッキの中身に、金と比重の近い「タングステン」を用いているケースが多く報告されていますので、ご注意ください。
なかには、タングステンに金色の銅メッキ加工を施しており、全く金を使用していないにもかかわらず金を示す刻印がされた、悪質なものもあるようです。

例2:部分的に金以外の素材を使用している
ジュエリーによく見られるケースですが、金製品の刻印がありながら、留め金やチェーンをつなぐマルカンなど、部分的に金以外の素材やメッキを紛れ込ませたもの。
ひと目見ただけではわかりにくい、細かいパーツに偽物を使うという手口です。

例3:純度を詐称している
実際はK10であるにもかかわらず、K18などと純度を偽って表記する手口です。
純度を詐称しているものの、金製品である以上完璧な偽物とは言い切れませんが、騙していることには違いありません。このような細工をしている場合、実際には1.や2.の手口を併用したケースが多いようです。

概して偽物は、作りが粗悪であったり、加工が雑であったりする傾向があり、金買取や査定のプロであれば、ひと目見ただけで違和感を覚えるケースが多いようです。
それでは続いて、金製品の本物と偽物を見分ける方法について見ていきましょう。


金製品が偽物か本物かを調べるには様々な方法があります。具体的にどんな方法があるのかご紹介していきましょう。
いくつかの方法を複数併用すれば、より高い精度で鑑定することもできます。


刻印を確認する
はじめに確認しておきたいのが「刻印」です。
金製品を表す単位は「K=カラット(karat)」で、国内ではK18、K14のように24分率表記が一般的です。海外ではK18を750、K14を585というように、1000分率表記される場合もあり、国内の市場で見かけることも少なくありません。

インゴット(延べ棒)においては999.9、もしくは「FINE GOLD」という刻印が用いられ、これはどちらも純金(K24)をあわらしています。金は混合物によって色味が変化しますが、「K18WG(=18金のホワイトゴールド)」や「K10PG(10金のピンクゴールド)」などの刻印は、ジュエリー好きの女性であれば、よく目にされているのではないでしょうか。


ちなみに、金メッキ製品はゴールドプレーテッド(Gold Plated)の略である「GP」と表記され、18金メッキの刻印は「K18GP」となります。

磁石を当てる
金は磁石にくっつきません。
しかし、銀や錫など、他にも磁石に反応しない金属はありますので、くっつかないから金である、と一概には言い切れません。メッキ製品の場合は、特に注意が必要です。
ただ、家庭で手軽にできる判別法ということで、金の可能性をはかるひとつの判断基準としては良いのではないでしょうか。

色味を確認する
純度による金の色味の違いも、偽物と本物を見分ける指針のひとつになります。
一般的に、純金(K24)はオレンジ味を帯びた山吹色をしています。
純度が下がるごとに、オレンジ味が減って明るい黄色になり、K10くらいになると、銅の含有率が増えるため暗い色味になります。
偽物は本物に比べ、明らかに色味に違和感がある場合も少なくありません。

比重を調べる

比重とは、水の重さを1としたときに、その物体の同じ体積(1cm3)における重さのことです。金の比重はとても重く、水を1とすると、純金であるK24は19.13~19.51になります。つまり、純金の比重は水のおよそ20倍。K18でも14~16倍ほどあります。

この数値を利用して、金が偽物であるどうかを調べる方法というのは古くから用いられており、その起源は紀元前のアルキメデスの時代にまで遡ります。

調べたい対象を水に沈めて比重を測定するのですが、詳しくは、金の純度の調べ方の記事をご覧ください。ここで得られた比重の値が、検査対象の刻印の純度に対する比重と一致しているかを調べます。

ただし、この方法には弱点があり、宝石などの異素材と組合せたデザインのものや、中が空洞になっている形状のものは、正確な数値を得ることができません。
また、金と比重の近い素材を使用しているメッキ製品であれば、金と大差のない数値が出てしまうこともあるので、他の検査との併用が必要になります。

試金石で調べる


こちらは、江戸時代から用いられている鑑定法です。
「試金石」と呼ばれる黒い石の板の上に、検査対象の表面を擦りとり、条痕(=擦り取った跡)の色味や擦りとる際の感触などから判定します。
粗悪なメッキ品の場合は、擦りとった時点で内部の異素材が露出して、ひと目で偽物とわかるケースもあります。

本物の金と金メッキを見分けるには、刻印を見るのが一番です。
それでわからない場合には、上記の見分け方を参考にして頂くのも良いですが、最終的には下手に自分で判断せずプロに見てもらうのがやはり確実だと思います。気軽に当店に相談くださいませ(o^ω^o)